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Voice_声5

テロ準備ってなに?

 

加藤純子(実行委員 作家)

 テロといってすぐに思いつくのが地下鉄サリン事件です。安倍政権が共謀罪で必要な例としてあげているのは「毒ガスによるテロ行為の準備」です。ところがあの事件以降、毒ガスについての法律はすでにできています。安倍首相は「どんな毒物かわからない場合でも、共謀罪なら摘発できる」といっています。  

 また「未知のものであっても、準備を行っていることが明らかになれば検挙できる」とも言います。    

 例えば数人で集まって「辺野古に座り込みに行こう」という話になったとします。そして他の友人とメールで連絡しあいATMにお金をおろしにいったら、そこで逮捕された、などという話が、冗談ではなくなってくるのです。

 メール連絡やお金を下ろすことが、テロ準備行為になったのです。  

 物言えぬ社会。なにも行動できない社会。そんな社会がこの「テロ等準備罪」が制定されたら、私たちを待ち受けているのです。

喋っちゃいけないよ

 

かさいまり(実行委員 絵本作家)

 安保法制のときとおなじ、数の力で強行されてしまいそうな共謀罪。何かと理由をつけては、通信や室内会話の盗聴など、捜査権限が拡大され、わたしたちの生活が、監視される社会になるのは、誰もが想像する事態。想像も自由も全て、心のなかに封じ込めなくては、危うくなる。
「喋っちゃいけないよ」ってね。
 世界での、日本の言論自由度の低さというのにびっくりしたが、
それに輪をかけて、ささやきさえも怯える事態になれば
「こどもたち、ごめんなさい」では、すまされない。

今こそ、声をあげる時

 

藤田のぼる(実行委員 児童文学評論家)

 共謀罪の目的の一つは、声をあげている人が「特別な人たち」だと思わせることで、まだ声をあげてない人たちとの間を分断することだと思います。安保法制の問題などで広範な市民が声をあげたことを、政権がいかに恐れているかということの表れです。そして、今気になるのは、やはり沖縄です。辺野古基地建設やオスプレイ配備に対して真っ当な怒りの声を上げている人たちに、もしも共謀罪が適用できたら、どれだけ弾圧の名目を与えることか。わたしたち一人ひとりが声をあげることが、今ほど大切になっている時はないのではないでしょうか。

治安維持法を連想させます

 

浜田恵子(絵本作家)

人間の心の中を取り締まる気持ちの悪さ。治安維持法を連想します。

葬ったお墓から二度と引きずりだしてはなりません。

自由にものが言えなくなる

 

さくまゆみこ(翻訳家)

いいかげん、もうだまされるのはやめませんか。安倍政権が今考えている法律は、テロ対策のためというより政権に都合の悪いことは今以上に隠蔽できるようにするためのものとしか考えられません。自由な意見を言うことができなくなります。

暗がりの中でも声をあげよう

 

芝田勝茂(作家)

沈黙の夜がそこまできている。いや、もうあたりは暗い。メディアは自分たちが委縮していることにも気づいていない。「経済第一」というスローガンのもとで、反対意見が封殺され、自主規制しているうちに、民主主義的と感じていた空気が、いつの間にか露骨な暴力と恫喝という、専制の大蛇に変容する。ほんとうは、だれもが「君死にたまふことなかれ」と心の底で思っている。少なくとも、わたしたちはそのことを歴史から学んだ。声をあげよう。暗がりのなかでも、さしのべる手と、繋がる手はきっとある。

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