• 野田真知子

「戦時下の言論統制と子どもの本」第4回学習会

《2017年2月3日、童心社の紙芝居ホールにて開催》

講師:野上暁氏

児童文学・文化評論家の野上暁さん(日本ペンクラブ常務理事・上野明雄さん)の講演会に行きました。 「ファーラム 子どもたちの未来のために」学習会の一環で「戦時下の言論統制と子どもの本」というお話でした。 関東大震災のあとの大杉栄殺害や、朝鮮・中国の人の虐殺などは知られていますが、その一連の事件のあと、治安維持法が出てきた流れは、東日本大震災のあとの現在の政治の流れにも似ていると、その怖さを教えてもらいました。

そして、日中戦争が開始した翌年、1938年(昭和13年)、国家総動員法が公布されますが、同じ年、「児童読物改善に関する指示要綱」が出され、こと細かに児童読物のあり方が規制されます。でも非常に巧妙なことに、その委員には山本有三、小川未明、坪田譲治などの高名な文学者の他に、社会主義系の人材も含めていて、あたかも、幅広く子どもの読物を検討するかのような趣を感じさせていたそうです。社会主義的な傾きの強かった大正時代から、たかだか十数年で、多くの文学者、文化人たちがなしくずしに、大政翼賛に参加して、太平洋戦争中には戦意高揚協力へと<自発的に>なだれ込んでいきます。 この流れの恐ろしさを、一つひとつ、子どもの本の実例を挙げて、映像を見せながらわかりやすく話してくださいました。その資料の多くは、野上さんのもののほか、山中恒氏所蔵のものでした。 100人に近い参加者から、熱心な質問が相次ぎました。


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