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​© フォーラム・子どもたちの未来のために

「井上ひさしの子どもに伝える日本国憲法」を読む

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『井上ひさしの子どもにつたえる日本国憲法』を朗読する

女優の斉藤とも子さん。

 

 

憲法学者の樋口洋一さん。 

 

 

フォーラム「子どもたちの未来のために」と、ちひろ美術館の共催による「シリーズ・子どものしあわせと平和を考える」の第1回は、4月16日に、東京のちひろ美術館で開催されました。「『井上ひさしの子どもにつたえる日本国憲法』を読む」をテーマに、女優の斉藤とも子さんの朗読と、憲法学者の樋口陽一さんの講演というプログラムでした。

 

井上ひさし(故)さんが2006年に講談社から出版した同書にちなんだもので、この本は絵本のような味わいの作りになっていますが、その絵がいわさきちひろさんなのです。そして、「フォーラム・子どもたちの未来のために」の発起人のひとりで、この本をプロデュースした講談社の大竹永介が当日の司会という、これ以上ないラインナップでした。


斉藤さんと井上ひさしさんとの出会いは、NHKの「若い広場」のマイブックコーナーで、斉藤さんが聞き手、井上さんがゲスト、というご縁があってから。その後、家族付き合いが始まり、「父と暮せば」の出演につながります。講演の冒頭で樋口さんが「井上さんが乗り移ったようでした」とおっしゃるほどに、著者のメッセージのエッセンスをわたしたちの耳と心に届けてくれました。


樋口さんは井上さんとは仙台一高のクラスメートで、旧制中学から新制高校に切り替わる時期の同校の自由にあふれた教育が、井上文学に大きな影響を与えたのではと、当時の先生たちのエピソードを紹介してくださいました。そして今日はふたつの話をしたいと前置きされて、ひとつは樋口さんにとっての井上文学、それをどんなふうに受けとめてきたかということ、そしてふたつめとして、井上文学をご自分の専門の「憲法」という立場から考えてみる、という視点を示されました。ひとつめの点では、井上文学の「趣向」と「思想」ということについて語られ、井上ひさし作品はすぐれて思想的なメッセージ性を持ちながらも、作者はそれをいかに観客や読者に差し出すかという「趣向」にどれほどに意を注いでいたかについて、さまざまな作品を通して語られました。また、そうした「趣向」へのこだわりには母親からの影響を、「思想」の面では父親からの影響を感じるというお話も印象的でした。そして、ふたつめの点では、『手鎖心中』から『国語元年』『吉里吉里人』などの作品に見られる井上さんの民主主義や国家に対する考え方、切り口の独自性、さらに『薮原検校』などに見られる人間の悪の面への視線という点への言及も心に残りました。

 

 『井上ひさしの 子どもにつたえる日本国憲法』

(井上ひさし/著 いわさきちひろ/絵 講談社)


「井上ひさし」という、あまりにオリジナリティーあふれる文学者の仕事のバックボーンや意義が、高校時代のクラスメートで憲法学者である樋口陽一さんの敬愛と共感あふれる言葉で語られることで、今まで以上に井上作品への理解と共感が深まる思いでした。そして、井上文学の「テーゼ」ともいえる「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく……」の精神が、いわさきちひろさんとのコラボのこの子ども向けの憲法の本に、見事に表現されていることを改めて感じさせられました。

 

(撮影/米沢 耕)

 

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